撮像素子サイズとパースの関係

受光素子サイズが変わると、同じ画角を得る為の焦点距離が変わります。
また一般的に焦点距離が変わると(画角が変わるので)パースペクティブ(遠近感)が
変化する事が知られています。

果たして実際には、どのように撮影できるのでしょうか?
ズームレンズを使って実験してみました。

受光素子サイズに関するおさらい

EOS 30D:APS-C( 22.5 × 15.0 mm )
EOS-1D Mark 2:APS-H( 28.7 × 19.1 mm )
EOS-1Ds Mark 2:35 mm フルサイズ( 36 × 24 mm )


画像1
データ:キヤノン EOS 30D・EF 70-200 mm F2.8L 70 mm (公称フルサイズ換算 112 mm)
ISO 400・Av f/22 1秒


画像2
データ:キヤノン EOS-1D Mark 2・EF 70-200 mm F2.8L 93 mm (公称フルサイズ換算 120.9 mm)
ISO 400・Av f/22 1秒


画像3
データ:キヤノン EOS-1Ds Mark 2・EF 70-200 mm F2.8L 115 mm
ISO 400・Av f/22 1秒


画像4
データ:キヤノン EOS 30D・EF 17-35 mm F2.8L 17 mm (公称フルサイズ換算 27.2 mm)
ISO 400・Av f/22 1秒


画像5
データ:キヤノン EOS-1D Mark 2・EF 17-35 mm F2.8L 23 mm (公称フルサイズ換算 29.9 mm)
ISO 400・Av f/22 1秒


画像6
データ:キヤノン EOS-1Ds Mark 2・EF 17-35 mm F2.8L 29 mm
ISO 400・Av f/22 0.7秒

検証

APS-H に関して、公称は約1.3倍の焦点距離…となっていますが、
計算値では、およそ1.254倍で一般に認識されている焦点距離より
僅かながら長くとっても良い事が判明しました。

計算値を考慮し推察すると、ほぼ同じと言って良いと考えられます。
しかし主被写体と充分に距離のある遠景での比較では若干の差異が認められます。
これがレンズの持つ光学的特性に起因する物なのかどうかは、
今回の実験では検証できません。
また、ズームレンズと言う可変焦点距離レンズを用いた事も差異の原因になるかもしれません。

ただし焦点距離の変化による被写界深度の変化は、
予想以上に印象が変わるのだと認識する事になりました。

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