デジタルカメラにおけるワークフローを考える

将来像…あるいは希望的観測な未来予想図

デジタル化における最大のメリットとは何だろう?と考えた場合、ネットワークを活用する事が必要不可欠なのではないかと考えます。
すなわちインターネット網などに代表される離れた場所にあるコンピュータ同士をつなぐテクノロジー。

「時間短縮」と言うキーワードにも繋がると思うのですが、遠距離であっても短時間で画像データをやり取りする事が出来るため、
デリバリーに必要な時間が短縮されるとともに、そのコストを下げる事にも寄与するのではないかと考えます。
レンタルサーバーや Apple が提供している「.mac(ドットマック)」の様なサービスの活用。
あるいはまた専門的知識が必要となるけれど、自前でサーバーを用意するなど Web テクノロジーを活用する方法は現状でも
いくつかのパターンで考える事が出来ます。
無論、場合によっては専門的スタッフの確保が必要となり、人的コストが発生するかもしれませんが…。

そこで考えるのは、画像データやテキストデータが集約されるところにサーバーを用意してもらう事。

一般的に広告代理店や出版社などが、いわゆる元請け的な立場で仕事が流れている事を考えると、
編集・ディレクションサイドにサーバーが置かれていれば、画像データやテキストデータをそこに入稿(送稿)することで
案件に関する全てのデータが比較的容易に一元管理できるのではないか…と考えてみたりするのです。

具体的な構築について、ここで言及する必要があるかどうか判りませんが…
カメラマンサイドからの意見としては、撮影した画像データから使えそうなカットを選んでサーバーにアップする。
あるいは明らかなボツカットを除いたものを小さなデータにしてサーバーへアップする。
ディレクションサイドから使用するカットを連絡してもらい、適切な処理を施した納品用データを再度サーバーにアップする。
そのサーバーには画像データだけではなく、ライターさんなどからもテキストデータが送られていて、
最終的にレイアウトソフトに流し込んで印刷所に送る入稿データを製作する…と言うような具合でしょうか。

現実的な問題点として、我々撮影スタッフは商品の受け渡しが必要なので、ネットワーク活用についての恩恵がどれほどになるのかは
未知数であり、コストパフォーマンスを考えても必ずしも有利に働くとは考えられないケースもあるでしょう。
またネットワークに関するスキルの向上が不可欠になるので、苦手な方には相当な負担になるかもしれません。

数年の間に実現が可能な事なのか、あるいは別のテクノロジーが現れて全く異なるワークフローの確立が必要になるのか。
現時点で「最善」と思われるワークフローも秒進分歩と言われる技術進歩によって簡単に「過去のもの」になってしまう
可能性を内包している事に留意しつつ、出来る限りの標準化を実現して普及させていく事が出来れば、
全体としてより良い方向へ進む事が出来るのではないかと考えるのです。

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